目次
1. ニンニク臭の原因は?
ニンニク料理は美味しいですが、食べる時に気になってしまうのがニンニクの独特な臭い。
ニンニクの臭いは、料理によっても強さが違いますよね。ニンニク自体が臭いのか、それとも調理法などで臭いは変わるのか。ニンニク臭の元になる原因を簡単に見ていきたいとおもいます。
ニンニクの匂いは「アリシン」という成分が原因です。このアリシンは、元々はニンニクに含まれている成分の「アリイン」が変化したもので、アリインが調理などで傷つくとニンニクに含まれている「アリナーゼ」という酵素と反応してアリシンになります。
傷ついていない状態のアリインは無臭なので、そのままのニンニク自体はそれほど強いニオイはしませんが、刻めば刻むほどアリインがアリシンに変わっていき臭いも強く なっていきます。
「すりおろしにんにく」を食べた後にニンニク臭に悩まされたりするのは、こういった理由なんですね。
すりおろしたニンニクはラーメンなどのトッピングとしても美味しく健康効果も感じられるものですが、臭いがもっとも強い調理法とも言えるので、食後に人と会う約束がある場合などは注意が必要です。
2. ニンニク臭は1種類じゃない
ニンニクを食べる前と食べた後、そして翌日のニンニク臭には少し違いがあると感じたことはありませんか。
すりおろしたニンニクの匂いは強烈な刺激臭ですが、ラーメンや焼肉に入れると美味しいと感じるような匂いです。また、香りづけとして調理の前に刻みニンニクを入れるのも、料理をとても美味しくしてくれますよね。ニンニク料理が好きな人も多く、今ではニンニク料理専門店がある程。
しかし、食べた後には口の中が「くさい!」と感じちゃいますよね。食べた直後には口臭が気になるだけで済んでいても、その翌日には口臭だけではなく体中から独特のニンニク臭が体臭となって漂ってきてしまいます。翌日に、「シンプルに口が臭い」だけでは済まなくなっていた経験あるのではないでしょうか。
食べる前の香りと食べた後、そして翌日のニンニク臭に違いがあるのはどうしてなのでしょうか。
調理時のニンニクの匂い
アリシンは不安定な物質で、他の色んな物質と反応し変化してしまうため、臭いも1種類ではありません。
アリシンが最も反応しやすいのが「アリルスルフィド類」で、この匂いが普段私たちが嗅いだことのあるニンニクの代表的な匂い です。そして、アリルスルフィド類は調理されることで 「ジアリルジスルフィド」 に変化します。ジアリルジスルフィドの匂いは香ばしい食欲をそそる匂いです。
ここまでが、料理を美味しく感じさせる匂いの話。ここからは誰もが一度は苦しめられたことのある不快な臭いの話になります。
不快なニンニク臭(中ボス)
食欲をそそる匂いだったジアリルジスルフィドは、体内に入ると体内の 「グルタチオン」 と反応して「アリルメルカプタン」という不快な悪臭へと変わっていきます。
食べた直後の不快なニンニク臭 というのはこの成分が原因です。アリルメルカプタンは、口の中だけではなく胃に入ったニンニクからも発生するので、口臭だけでなく息自体にもニンニク臭を漂わせてしまうことになります。
しかし、この臭い、食べた直後と書いたとおり持続時間はせいぜい1時間程度と長くありません。まだまだ中ボスレベルの臭さ。
不快なニンニク臭(ラスボス)
1時間程度で消えていく臭いであれば、ニンニク臭に悩む人達はもっと少ないはず。ここから紹介する臭いが、翌日まで持ち越すもっとも不快なニンニク臭といえます。
体内でアリルメルカプタンに変化した物質は、胃から腸へと移動している間に新しい物質へと変化します。これこそがニンニク臭の1番の不快臭「アリルメチルスルフィド」 です。
アリルメチルスルフィドは、腸の中で生成され、腸から体内に吸収され血管に入り体内を巡ります。そのために身体からもニンニク臭がしてしまうんです。そして、アリルメチルスルフィドの臭いは、16時間~48時間程続く ため、翌朝になってもニンニク臭が残ってしまうというわけです。
ニンニクのニオイは、口の中でまだ傷ついていないアリシンを砕くことや調理時の反応だけでなく、体内での反応によっても変化していくようです。
健康効果がすごいとされるニンニクですが、ニンニクパワーとともに不快なニオイも全身に運んでいるんですね。
3. タイミングごとのニンニク臭対策
ニンニク臭は1種類でない上に持続時間も長いため、有効な消臭対策も、口臭・体内(胃)からの臭い・体臭に分けて紹介していきたいと思います。
ニンニクを食べる前にするニンニク臭対策
餃子や焼き肉・ペペロンチーノなど、ニンニクが入っている料理を食べに行くと分かっている場合には、食べる前にできるニンニク臭対策もあります。
その対策とは、 ニンニク料理を食べる前に、タンパク質が豊富に含まれている「牛乳」を飲むこと。
ニンニク臭は、アリシンを変化させない方法でニンニク臭を軽減できます。そしてそのアリシンを変化させないためには、タンパク質と結合させることが一番です。アリシンはタンパク質と結びつきやすい性質で、タンパク質がアリシンを包み込んで結びつくので科学変化を止めることができ、ニンニク臭が発生しにくくなります。
口臭対策
ニンニク料理を食べた直後に気になるのが、ニンニク臭のする口臭。
口臭対策は、食事中に緑茶を一緒に飲むことで軽減できます。
緑茶に含まれている「カテキン」がアリシンと結合することで、ニンニクの臭いを消す働きが期待できます。他にもお茶やコーヒーに含まれている「タンニン」にも消臭作用があるので、料理によって飲み物を選ぶようにすると口からするニンニク臭は軽減することができます。
食後には基本の口臭対策を
口臭からニンニク臭を軽減させる方法を紹介しましたが、食後の口臭対策としてはやはり 「歯磨き」 は基本です。
歯磨きで口の中に残っているニンニクの残骸を取り除きましょう。歯磨きができない外出先での口臭対策は、食後はトイレで一度うがいをし、ミントガムを噛むことでも多少の口臭は軽減できます。
胃からのニンニク臭対策
胃から発生するニンニク臭の対策は、ポリフェノールが豊富に含まれている食材を食べることです。
ポリフェノールには、ニンニクの臭いを抑制する働きがあるので、食後に食べることで胃の中のニンニク臭を軽減することができます。中でも特にリンゴがおすすめ。 リンゴの皮の部分に大量に含まれているポリフェノール「アップルフェノン」と「カテキン」はニンニク臭を消臭してくれる効果があります。
他にも、料理に添えられているパセリにも「アルファーピノン」という成分が含まれておりニンニク臭を分解して消臭してくれます。
体臭対策
ニンニク臭が体臭から臭ってくるのは、ニンニクを食べた後かなり時間が経過してからになります。
そのため、夜をまたぐ場合も多く、クサい状態で朝目覚めることも多いはず。特に就寝中は汗が大量に分泌しているため、ニンニク臭が毛穴からも放出され翌日も強烈な臭いが残ります。
そんな場合の対策は、体内からニンニク臭を排出させることです。
水分を沢山とって代謝をアップし、汗で外に排出させるのが1番の方法です。水分を沢山とり、運動やお風呂に入って体からニンニク臭を追い出しましょう。
特に翌日に持ち越す臭いは自分で気づきづらいので、周りに不快な臭いを撒き散らしかねないので注意が必要ですね。
4. ニンニク臭をシャットアウトしてくれるオススメの消臭アイテム
ここでは、ニンニク臭を消臭してくれるアイテムを紹介します。
天野商事から発売されている "ハーペント 口臭スプレー" は、香りで誤魔化す口臭スプレーと違い、臭い成分に直接アプローチして消臭してくれます。
使い方は口の中に2~3プッシュし、ブラッシングするだけです。食後の口臭をすぐに消臭してくれて、さらに歯周病や歯肉炎予防にも効果があります。ニンニク臭だけでなく、会社での食後の口臭が気になる人にもおすすめです。
5. おわりに
ニンニクは身体を元気にしてくれる美味しい食材ですが、そのパワーに比例して臭いも強烈です。
別の臭いでごまかすのが難しいニンニク臭は、臭いの原因を知って対策も段階を踏んでおこなうのがおすすめ。
口臭・胃からの臭い・体臭と、臭いのタイプも違うので、シーンやタイミングに合わせてしっかりニンニク臭対策をおこなって、飲み会の多いシーズンも隙のない身だしなみを心がけましょう。